──カシオの電子辞書開発終了に思うこと
ひとつの時代の終わりを感じるニュースが飛び込んできました。カシオが電子辞書「EX-word」シリーズの新規開発を中止すると発表したのです。
かつて、学校や受験勉強、さらには仕事でも活躍した電子辞書。特に2000年代に学生だった世代にとっては、必須アイテムでしたよね。私はこのニュースを見たとき、少し寂しさを感じました。
電子辞書と過ごした日々
電子辞書を開けば、そこには無限の知識が詰まっていました。英単語の意味を調べるのはもちろん、百科事典のように使ったり、発音機能を活用したり。カシオのEX-wordは、まさに「持ち運べる小さな図書館」でした。
授業中、辞書を引くフリをしてゲームの隠し機能を探したり、友達と「これ、めっちゃ便利だよ!」とお互いの辞書を見せ合ったりした思い出もあります。電子辞書には「使い込むほどに馴染む」感じがあって、自分だけの相棒のような存在でした。
スマホ時代の波に消えた電子辞書
しかし、時代は変わり、今やスマホひとつで辞書機能はもちろん、AIが質問に答える時代です。Google翻訳やDeepLのようなツールが登場し、英単語を調べる手間すら減りました。
カシオも一時は電子辞書を進化させ、学習特化のモデルを発売していましたが、スマホの普及には敵わなかったのでしょう。最近の学生にとって、電子辞書は「親世代が使っていたもの」になってしまったのかもしれませんね。寂しさの要因はここかも?
電子辞書の役割は終わったのか?
とはいえ、電子辞書にはスマホにはない良さもありました。たとえば、試験中に使えるケースもあり、余計な通知やアプリに邪魔されることもなく、純粋に「調べる」ことに集中できました。
さらに、バッテリーが長持ちし、ネット環境がなくても辞書が引けるのも大きな利点でした。スマホだとついSNSを開いてしまう人にとっては、学習専用のツールとして電子辞書は優秀だったのです。
カシオの経営に与える影響
カシオにとって電子辞書は、1990年代から長く続く主力事業のひとつでした。しかし、少子化とスマホの台頭によって市場が縮小し、近年は売上が減少傾向にありました。
今回の決定は、事業の選択と集中の一環でしょう。カシオは現在、電子楽器や時計事業に力を入れており、特にG-SHOCKは海外市場でも人気がありますね。電子辞書の新規開発をやめることで、より成長が見込める分野に経営資源を集中できるメリットがあります。
しかしながら、これまで学校向けの学習市場で一定のブランド力を築いてきたカシオが、教育分野から少しずつ撤退していくのは少し寂しい気もします。今後は、デジタル教育ツールやAIを活用した学習機器の開発へシフトする可能性も考えられます。
時代が変わっても残る「学ぶ楽しさ」
電子辞書は姿を消しつつありますが、「調べる楽しさ」や「知識を広げる喜び」は、どんな時代でも変わらないはずです。
今後、学習の形はAIや新しいデバイスへと変化していくでしょう。でも、あの電子辞書をパカっと開いたときのワクワク感は、私たちの心にずっと残り続けるのではないでしょうか。
電子辞書。使ってましたか?
へぃへぃ。でした。
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